茶遊菓楽 諏訪園 代表 酒井 一行

茶遊菓楽 諏訪園 代表 酒井 一行

・三代続く丹波篠山茶の老舗「諏訪園」

私どもの会社は「諏訪園」という名前が示す通り、もともと篠山市味間で茶園を持ち、茶葉の栽培、卸業をしていました。現在も約3ヘクタールくらいの茶畑で栽培して製造しています。お茶の葉の製造と卸業をメインに初代がずっとやっていたのですが、二代目の父の代からなかなか卸売業だけでは利益がでないということで、小売業として展開をすることを決めまして、昭和60年に篠山市味間に本店を構えました。そして、茶葉を売るお店としての第一号店の営業を開始して、生産から販売までの今でいう「六次化」の形態を形成していき、お客様の顔の見える形で「作って売る」というところまでになりました。
その後、平成4年に篠山市の城下町に第二号店を建てました。そして篠山城下町店のオープンをきっかけに、お茶のある生活をより豊かにしたいと考え、お茶とは切っても切れない和菓子作りが本格的に始まりまして、お茶もお菓子も丁寧に一から製造するという2つの分野で事業を拡大していきました。そして、お菓子の方も順調に伸びてきましたので、本店にあった工場が老朽化もあり狭く、新しい機械が入らなかったので、平成15年に篠山インター店を建て、今の形に落ち着きました。その後、親子3代で想いを繋ぎ少しづつ販路を拡大していきました。

・歴史あるお茶の産地である篠山と今後のビジョン

私どもの地域で栽培しています丹波茶は、あまりメジャーではありません。ですが、全国的に見てもその歴史は古く、約800年前に栄西が植えたとされる文献も残るくらい非常に歴史のある茶どころなんですね。それはお茶の栽培に適した場所ということです。篠山といえば黒豆や栗が有名ですが、篠山の寒暖の差が激しい高地での栽培というのは、特産物が多い篠山を見ても恵まれた土地にあるからです。その中で、お茶をこれからどこまで販売していけるのかな、というところが一つの課題にはなっているんですけれども、以前から「お茶を通じて交流の場を広げたい」という想いがありまして、それにお菓子が欠かせないという考えがあり、特産物が多い篠山で、お客様に納得していただける新たな特産品をしっかりと作り、販売するお店でありたいし、また、あり続けたいと考えています。

・老舗の柔軟な発想と新たな挑戦

昨年、平成28年から洋菓子の製造販売もスタートしました。その理由は2つあります。その理由の1つ目は洋でも和でもなく、一つのお菓子として私は考えているからです。2つ目は、新たな職場環境の構築です。今までだと、やはり洋菓子を目指す人材は洋菓子店、和菓子を目指す人材は和菓子店に行くのでどちらか片方しか学ぶことができませんが、その垣根を取り払おうと考えております。それは、和菓子の中にも洋菓子のエッセンスを取り入れたり、洋菓子の中に和菓子の要素を入れることにより、両方の仕事を経験できる、新たな表現の感覚を学んだりできる環境があればリクルートの幅も広がりますし、今後育っていくスタッフが多能工として自立していけるようにと考えています。スタッフの成長があり、ここで学んだ経験を活かし、新しい分野にチャレンジしていってもらいたいと思います。

・当たり前を学ぶ!地方企業を支える人材育成の考え方

美味しいものを作るだけでは商売はできません。販売というひとつのシュチュエーションも私は重視していますし、その中で特に接客の部分を大切にしています。いかに美味しいものを作ろうとも、お客様への対応が疎かだと台無しになりますからね。篠山は田舎ですけれども、都会のレベルに合わせた接客技術を身につけてもらうため、都市部から講師を招聘し研修を行ったり、スタッフの評価をしていくということは常々やっております。もちろん社内での研修もですが、日ごろから挨拶、感謝、人に対する配慮など当たり前の事ですが、きっちり教えています。私のお店には10代のアルバイトスタッフから40代の従業員までの幅広い人材がいまして、若い子にしっかり教えていく流れを作っていきたいという想いもあります。ですが、このような発想にすぐにたどり着いた訳ではありません。
今まではそこまで人材育成に力を入れていませんでしたが、スタッフの入れ替わりが多く、このままではいけないと思い、身内・友人・社会に向け堂々と胸を張って「会社に行ってくる」と言えるものでないといけないと思うようになりました。簡単にいうと「お店にお手伝いに行ってきます。」ではなく、従業員皆には「会社に出社してきます。」ときちん言ってもらいたい。そこには福利厚生があって、社会的にも認められるような会社にしたいのです。現在は従業員が26人いるのですが、その中で14人は社員ですが、行く末は全従業員を社員にするという気持ちでおりますし「会社の運営は全員、全力で出来る会社を目指そう」という考えです。今ではそれが会社として一番強いという考えに至りました。

 

・9割の従業員が女性!?女性活躍企業の構築

私と工場長と20歳の男の子で男性は3人です。店長、マネージャー、工場主任も全員女性です。女性が多い職場で気を使う事こともありますが、毎日挨拶、労いの言葉を掛け合うこと、その2つを大切にしています。些細なことですけれども、それだけで会社の雰囲気が変わってきますね。それだけで社内のコミュニケーションが上手く取れてきたように思います。いい人材に恵まれた部分もあるんですけれどもね(笑)ですが、ここまでの会社の状態になるのに15年ほどかかりましたよ。今の会社の考え方に賛同し、共に考えて来てくれた人材だけが残ってくれている感じがします。そんな会社のシンプルな考え方としては「商品を作るだけでは物は売れない、何で自分たちが作っているのか。売ってくれる人がいて、買ってくれる人がいて作れるのだから。」という製造側の考えがあって、販売する側には「売ることしか出来ないけれども、作ってくれているから売れるんだ。」という感謝の気持ち。作る側に対する思いを持って売るという姿勢をつくることが大事かなと思っています。そういうバランスを非常に大切にしています。だから接客に命がけになる人も欲しいですし、製造の作ることが大好きでなかなか表舞台には立てないけれども、裏方ではしっかりと支えることが出来る人材に来ていただいたら一緒に成長していけると思います。

住所〒669-2223 兵庫県篠山市味間奥1463
連絡先 079-594-0855
社員数約30名
URLhttps://www.suwaen.cc/Pages/top_page.html
備考求人について気軽に上記電話番号からお問い合わせください。