獣害対策を軸とした地域活性化に取り組まれる鈴木克哉さんにお話を伺いました。サルやシカ・イノシシによる田畑への被害を減らす対策を実践しながら、農村体験イベントやオーナー制度と掛け合わせて地域振興にも取り組まれています。
人が温かい、農村の暮らしを守る
私は、元々は人の手がほとんど加わっていない原生的な自然に憧れて、学生の頃はアラスカに旅行に行ったりしました。そこから学生時代に獣害研究のため農村で調査している時に、身の回りにある自然を活かし、農村で暮らす人同士が支え合う暮らしや、自分や家族・親戚のために丹精こめて自分の手で作った美味しい農産物が食卓に並ぶ農村の暮らしが素敵だなと、感銘を受け、そんな農村文化を守りたいと考え、地域活性の仕事に取り組むようになっていきました。今では地域の人と仲良くなり、たくさん野菜をいただいたりしますよ(笑)。
地域の人と対話を重ね、地域活性を
地域の課題解決を目指す仕事では、地域で暮らす人と協力し合うことが大切ですね。必ずしもみなさんが自分の地域を活性化したいと同じ方向を向いているわけではないので。みなさんの共通課題である獣害対策をきっかけに、まずは、話を聞き、地域に対する想いやどういうビジョンを抱かれているかを理解します。そこから自分の想いを伝えて心を動かす。何が懸念点か聞き出し、解消するために頭をひねり、対話を重ねて、少しずつみなさんの想いを見える化していきます。そして地域外の支援したい人と結びつけていく。地域に入り込み、いろんなつながりを生んでいく。大変ですが、その過程にやりがいがあります。