丹波篠山には、古きよき暮らしを感じさせる古民家が数多く残っています。その古民家再生を手掛けられている中井工務店の中井雅人さんにお話を伺いました。古民家再生以外にも、住宅建築やリフォーム、さらに他社では珍しい社寺仏閣の建築にも携われています。
古民家再生に力を入れる
弊社は創業70年になりますが、本格的に古民家再生に注力し始めたのは10年前ほどからですね。その当時、古民家の伝統工法を熟知している工務店や職人が減少していたので、戦略的にその分野に参入していくことになりました。古民家は現代住宅の工法とは大きく違っており、100年以上前の伝統工法になります。古民家特有の梁や柱の立て方といった知恵をほとんど一から学ぶことは非常に苦労しましたが、継続的に古民家再生の案件に関わることで蓄積していきました。
伝統工法を受け継ぐ
伝統工法を継承するには人から人へ直接、知恵と技術を伝えていく必要があります。そのために古民家再生の現場で熟練の職人と一緒に継続的に経験を積み、受け継いでいけるように、人材育成の環境整備に力を入れています。また近年では、大工の評価が下がっているように感じています。本来、大工は建築設計や内装施工だけでなく顧客折衝や金銭管理など幅広い役割を担います。それと合わせ宮大工が持つような社寺仏閣建築の知識や技術を身に付けたりと、大工の地位が少しでも上がるように会社としてサポートしていくことが地域の景観を守ることに繋がり、とても大切だと感じています。