・安定した生活から60歳での挑戦
大学卒業後、定年まで宝塚の市役所に勤めていました。第二の人生は「一花咲かせたい」ということで、それまで父がやっていた農業を始めました。若い時は、父のしていた農業を継ぐとは考えていませんでしたので、農機具は父が亡くなった時に全部売りに出していたんですよ。ですから、農業を新たに始めた時は農機具をすべて買い直しましたから大変でしたね。そして、最初は市役所の仕事をしながら、兼業農家という形でしていました。定年退職後から現在、専業農家で仕事をしています。
・組織の中で情報収集
市役所に勤めている時に広く浅く様々な事業のことを勉強させていただきました。それらを活かし40歳から50歳まで準備期間に費やそうと考え、農業に関する自分自身の力をつけるために情報収集をしました。市役所の業務に、支障のない不動産事業を50代から始め、60歳になる頃には、収支の合うような事業をするようになりました。若い時から何かやれと言われたら「一直線に集中して突っ走るタイプ」でしたし、人がやらないような事をやっていきたいというような考えを常に持っていました。結局は社長になりたかったんです、社長に(笑)
・「農業の顔」本質は「起業家」
実は僕は、農業だけをしている訳ではありません。農業も事業の一つというだけで、色んな事業をしています。その中の一つの事業が農業というだけです。他には不動産業などをしております。不動産業と言いましても色々な種類があります。マンション経営、住宅、家を貸すものもありますよね。自動販売機、太陽光発電、土地を貸す、コンテナを貸すなども。私はその内、5つから6つの事業をしています。あとは、資金運用もやっています。株とか、ファンドとかですかね。どうしても杉尾農園という農業にスポットがあたりがちですけど(笑)
・「育成」と「継承」
自分が好きではじめた事業「杉尾農園」を息子が継ぎたいと言ってくれた時は、親としても本当に嬉しいと感じました。ですのでこの事業を2代目にしっかり継承する事が次の目標ですね。と言っても、まだまだ現役でやりたい事がいっぱい私にはあるので、息子に気力・体力的にもまだまだ負けないぞ!と思ってますけどね(笑)そして自身の事業だけではなく、今後も新規就農者を受け入れ、独立準備からのお手伝いができればと考えています。私の会社では農業のノウハウ、不動産事業もありますから、「仕事と住まい」の両面からお役に立てると思っています。
・やまもとちえこさん
元々の出身は大阪です。現在、篠山に移住し杉尾農園に主人が勤めております。2017年12月からは独立して、篠山で農業で起業するただいま絶賛準備期間中です。
・「都会で起業」or「田舎で起業」
大阪で結婚生活をしている中で、老後の事を考える機会が増えました。「自分達で何かしたい。」という考えをこれまでずっと持っていたので、このまま大阪で老後を迎える、という事に不安や違和感がありました。主人の前職が飲食店でしたので、飲食店経営も夢のひとつでしたが、大阪は人口が多く競争が激しいですし、店を出すとなっても大金が必要ですので、そういったことなどを考えすぎて踏み出せずにいました。
・移住キーワード「住まい・仕事」+ α
杉尾農園の娘さんとは20代の時からの友人で、篠山に何回か遊びにいく機会がありました。その娘さんに杉尾農園を紹介してもたったのですが、元々興味があった「田舎暮らし・農業」と「夫婦で何かしたい。」という想いのキーワードがカチっと歯車が合ったんですよね。そこから移住までの動きはものすごく早かったです。(笑)
杉尾農園には移住を考える人のキーワードになる「住まい・仕事」この両面のサポートをしていただいたことが大きかったと思います。そして現在は、農業で起業するためのノウハウを学び、起業準備をしながら、篠山での田舎暮らしを満喫しています。そんな生活の中で友人・知人も増えて、大阪などの都市部にアクセスの良いこの環境がすごく気に入っています。
・HONKI de FARM ー本気で農業ー
この12月から、HONKI de FARMという名前で事業をスタートします。「夫婦二人三脚で真剣に農業をしていきたい。」という夫婦の想いを名前に込めました。杉尾農園みたいに、大型専業農家では出来ない、私たち二人だからこそできる小回りのきく農業をしていきたいと考えています。美味しさ、安全さ、そしてオシャレさにこだわって野菜作りをしていきたいと考えています。私は前職でWEBデザインの仕事をしていましたので、それを活かして野菜のパッケージを考案したり、SNSを利用して広報を担当していきたいです。主人が野菜作りに専念できるよう、しっかり支えていきたいと思っています。