コンベヤベルト専門企業として、全国的に活躍されている吉野ゴム工業株式会社さん。工場等でものを運ぶときに活用されるコンベヤベルトをつくられています。今回は、コンベヤベルトのゴム部分の製造加工を行う篠山工場にお邪魔し、取材しました。
『とにかくやってみる精神』と『仕事のやり方を日々改善』。
この2つを意識され、お仕事をされる素敵な会社でした。
現場で製造加工を担当される三木さんにお話を伺いました。篠山産業高校の機械学科を卒業され、入社されたそうです。
「高校の企業紹介セミナーに、同じ高校学科を卒業し吉野ゴム工業で働いている先輩が来ていたんですよ。自分と同じ学校を卒業されている方だなと親近感が湧いたことが興味をもったきっかけですね。」
改善することもお仕事
三木さん自身は、お仕事で何を大切されていますか?
「もっと効率良く仕事ができるように仕事のやり方を改善するよう心がけています。」
例えば、どんな改善をされるんですか?
「最近の事例でいうと、ある製品をつくるのに全て手作業で、費用がかかりすぎていました。そこで、今まで手作業だった工程を今ある機械の改造で半自動化するように変えたんです。結果的に、かかる時間が短くなり安く製品をつくれるようになりました。」
改善した結果が目に見えたんですね?
「はい。数字で良くなったのが目に見えましたね。効果があったとわかると改善した甲斐があります。」
そういった改善はどんどん自分からされる感じですか?
「むしろ勝手にしていますね(笑)。こうすればもっと効率的になるのにと思えば、ぱっとやってみます。弊社では、『理屈より実行 理論より実践』という考えを大切にしているんです。なので、思いつけばとりあえずやってみます。」
私の場合、目の前の仕事に追われてなかなか改善する余裕がないんです…。
「忙しいと考える余裕がないですね。でも、頑張って時間をつくって改善するんです。そうすれば、無駄な作業も減り余裕もできます。」
もともと、ものごとを改善する習慣とかがあるんですか?
「いえいえ、私は面倒くさがり屋だけなんです(笑)。この作業は無駄があるなあと思えば、何とか面倒さを省きたくなるんです。」
なるほど(笑)。
「面倒くさがり屋だからこそ、目の前の仕事をもっと効率的にできるように考えるんだと思います。」
とにかくやってみる精神
『理屈より実行 理論より実践』を大切にされている会社だからこそ、自分の考えたこともぱっとできそうですね?
「そうですね。私の場合は、休憩時間にゴムを使ってバイクの模型とか作っています(笑)。」
え!どういうことですか?
「余ったゴム資材だけでミニチュアのバイク模型を作るんです。ゴム100%。他にも食品キットや造花とかも作っていますよ。」
面白いですね。本物そっくりですもん。
「作品は工場内にまとめて飾っているんですが、社長もよく見にきますね。販売するわけではないんですが、余っているゴム資材を見て何かつくれないかなと思ったのがきっかけですね(笑)。」
まさにとりあえずやってみる精神ですね。
「そうですね。あとは自分たちで何でもつくったり、修理したりしますね。例えば、製造機械とかも自分たちで設計して部品を揃えて自分たちで組み立てたりします。機械メーカーに電話で聞きながら、部品を集めてですね。」
なるほど。自分たちでできることはされるんですね?
「自分たちでやることでコスト削減にもつながりますからね。こないだは、工場の屋根に設置されている換気扇の調子が悪かったので業者に頼まず、自分たちで直しました。まず自分たちでできないか考えて、できそうであればすぐに実行しますね。」
※お客様が運搬実験できるコンベヤベルト設備
今後の成長の見込み
現在は国のプロジェクト関係からの受注案件にも携わられているそうですね?
「はい。コンベヤベルトではなく、ダムやゴム堰に活用されるゴムを接合部なしの1枚物で製造しています。ダム用とかなので、めちゃくちゃ大きいんですよ。」
「この大きさのゴムを作れる会社は、おそらくうちしかないです。こういった規模の仕事は国のプロジェクトものになりますが、今後はそういった分野にも積極的に取り組んでゆきます。」
お話を聞いていると、今後どんどん成長されそうですね。
「はい。現在も売上が伸びていますが、今後も期待できそうです。資材の置き場がなくなってきたこともあり、新工場建設への投資も考えなくてはいけない時期が来たと思っています。」
三木さんが語る丹波篠山で暮らし働く魅力とは
三木さんが思う丹波篠山で暮らし働く魅力は何ですか?
「都市部と比べると、物価は安い。なので、生活費が抑えられると思います。あとは、丹波篠山の四季は変化を感じられますよね。自然風景の変化だけでなく、季節によって違う美味しいものが食べられます。」