豊かなつながりと、表現ができる場所
しっとりと緩やかな時間が流れる田舎まちの小さなギャラリーやカフェで自分だけの時間を過ごす休日。篠山は京阪神の都市部に近い田舎として観光目的で来られる方も多くいらっしゃいます。そんな方達に篠山でもひときわ人気の暮らしの雑貨屋・ハクトヤさんは、神戸出身の一瀬裕子さんが2010年から始められました。
ココしかない、家との出会い。
“アンティークのものが好きで、海外で自分用に買ったり何かのために使ったりしてたんですよ。野外フェスとかマーケットに出店して売ったりもしながら、なんとなくぼんやり、いつか自分のお店ができたらこんな風にしよう、あんな風にしようって考えてたんですよね。”
“例えば神戸で雑貨屋さんをするっていう選択肢もあったんですが、私はちょっとヘンテコな思考回路があって・・。盛り上がってないほう、全然火がついてないところで花を咲かせたい!って思うところがあるんですよ(笑)。バックに力があるところより、みんなが一生懸命。その方が魅力に感じちゃうんですよね。”
都市部は便利で快適な場所や、情報も多いですが、神戸では叶えられないこともあったようです。「まだ盛り上がっていない、これからみんなで変わっていける。」そこに一瀬さんにとっての理想がありました。
“それで、篠山に来て空き家を紹介してもらったのですが、一軒目に見せてもらった場所が今のハクトヤです。最初入った時は全部窓が閉まってて真っ暗で、狭くて天井も低かったんですけど。(笑)ずーっと奥まで進んでいくと光の差し込んだ中庭と大きな窓ガラスが見えて「わ、ここでやりたい」ってそう思ったんですよ。直感ですね。他の家も案内してくださる準備をして頂いたのですが、一軒目で決めました。”
篠山のゆたかさ、人とのつながり。
一軒目で一目惚れした古民家で、自分のお店を始めた一瀬さん。神戸で住んでいた頃の友人や、神戸の雑貨店で働いていた当時のお客さんもハクトヤさんによく来てくださるそうです。
“神戸からこっちに来てお店を始めたことで、お店まで来てくれて、募る話をたくさん聞いたりもできて。離れることでより親密になった友達もいてるんですよ。”
人の話をする時、一瀬さんはとても優しい顔をされます。きっと一人一人との繋がりを大事にされているのでしょう。そんな一瀬さんはもちろん篠山での人のつながりも濃くなってきたようです。
“篠山の方達がとても親切で、挨拶も元気で、本当にここでお店をやって良かったといつも感じさせられるんです。作物が育つ豊かな地なので、心も豊かなのかな?篠山は緑があって、四季の自然がある場所。春に桜が咲いて、それをみんなで喜び合えたり、寒い冬に巻いてるショールのあったかさに心底「これがあって良かった」と感じられたり。”
一瀬さんは、毎年冬の間40日間、お店をお休みしてヨーロッパを中心に買い付けへ行かれたり、他にも、お祭りが大好きで篠山の伝統的なお祭りに行っては、地域のおじさんに歴史のことを聞いたり、日々の暮らしや季節を本当に楽しんでおられる様にみえます。「正直、仕事を、仕事と思えてなくて毎日楽しいんです。」と語る一瀬さんのワークスタイルは、どこにいても何をしていても、自分で選択しているという豊かさを表現している様でした。 そしてまだあまり知られていないのですが、一瀬さんには新しい夢があるそうです。ぜひ、ハクトヤさんを訪れたら「ソコソコに行きたいんです」と伝えてみてください。一瀬さんの新しい楽しみを、見せてもらえますよ
□Aell info
器とくらしの道具ハクトヤ
兵庫県篠山市河原町121-1
営業時間:11:00〜18:00
定休日:木曜日(祝日の場合は営業)
電話:079-552-7522
WEB: http://hakutoya.exblog.jp/