農業はじめの一歩32

農業はじめの一歩32

平尾 仁(ひらお じん)さん

丹波篠山市沢田

経営品目:水稲・黒豆

経営面積:7h

 

〜「祖父の守ってきた農地を受け継ぐ」〜

——幼い頃から祖父が農業に取り組む姿を間近で見て、農作業を手伝ってこられた平尾さん。地元の農業高校に通い大人になってからも農作業に関わる中で、農地を引き継いで守りたいという思いから認定新規就農者になられました。20代の若手農業者として、日々多くのことを吸収され、自分なりに農作業の研究や新しい取り組みも始められています。——

 

 

 

「農業に対する印象」

幼い頃、トラクターやコンバインに乗る祖父を見ていて「農業はお年寄りがする仕事」だと思っていたし、周りを見ても多くの農家は年配の方がほとんどでした。

当時は、体力的にも大変だろうし手伝おうかというくらいの軽い気持ちで、自分が祖父の農業を受け継ぐとは考えていませんでした。農業高校を卒業した後、大阪の会社に就職し、平日は仕事をしながら、週末に手伝いに帰ってくる生活を続けていました。

 

「農業に対する気持ちの変化」

大阪で働いている時は、仕事内容が自分に合っていないと感じて辛い日々が続いていました。週末に丹波篠山で農業をするなかで、祖父が頑張ってきた農地を受け継ぎたいと思うようになり、どうせ始めるなら早いほうがいい!と一念発起して認定新規就農者になることを決めました。

幼い頃から手伝っていたためある程度の農業知識があったこと、祖父名義の機械や農地があったことから、農業を仕事にすること自体は比較的スムーズに始めることができました。しかし、認定新規就農者になるための青年等就農計画(5年間の農業経営に関する将来計画)の作成は、ハードルが高く本当に大変でした。農都政策課の担当の方や丹波農業改良普及センターの皆さんに親身になってアドバイスをいただいたおかげで、無事に新規就農者の認定を受けることができました。

 

 

「楽しくてしかたがない」

自分で段取りを組み自分らしく作業ができる農業が私には合っていると心から思います。努力した分だけお米や黒枝豆の出来が変わるし、いいものができるので農業が楽しくて仕方ないです。

わからないことは祖父だけでなく、周りにいる若手の農家の方々にもアドバイスをお願いし、いろいろ教えてもらっています。日常の中の些細な会話にも農作業や経営のヒントがあり、気づかされることも多くとても役に立つので、積極的にいろんな人とコミュニケーションをとることは農業をしていくうえで本当に必要だと思います。

いろんな方と積極的に交流し、情報交換しながらスキルアップを図っていきたいと思っています。

 

「厳しいことはお金のやりくり」

祖父の代からの機械や農地があるといっても、自身の農業経営自体は1年目です。閑散期には全く収入がなくても、今後の規模拡大に向けて機械購入を考えていく必要があります。

田植えを5月に控え、今は溝切りや耕運作業をしています。水稲や黒枝豆の収穫が終わった冬場の閑散期に作れる農作物として、玉ねぎに挑戦しようと考え鹿児島に視察に行ってきました。気候や土壌が違うので思うようにいかない部分も出てくると思いますが、新しいことにはどんどんチャレンジして行こうと思います。

 

 

「若い人にこそ農業に携わってほしい」

今の農業を支えているのは年配の方がほとんどですが、若い人にこそ農業に興味を持ってほしいです。大きな機械投資や近年の天候不順など確かにリスクは有りますが、自分で将来の方針を考え経営していく充実感は、他では味わえない喜びがあります。若いうちの新規就農であれば、「認定新規就農者」という国の制度を活用し、機械の購入や新しい作物への挑戦ができます。さらに、若い世代で同じように頑張っている仲間が沢山いるので、色々なことを情報共有しながら切磋琢磨できます。農業は1人で行う作業が多く孤独だと思われがちですが、周りには支え合える農家や先輩がたくさんいます。若い人に農業の魅力や楽しさが伝わり、若手農家が増えていけばいいと思っています。

 

 

——夢は大規模農家になることだとおっしゃる平尾さん。祖父の代から受け継いだ農地や、近隣の皆さんから預かる農地を増やしていくため、丁寧な作業と自身の農業に対する姿勢を見せることで信頼を得ていこうと意欲に満ちあふれています。——

2025年2月13日

 

 

 

 

 

 

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