「丹波焼」丹文窯 4代目 大西 雅文

「丹波焼」丹文窯  4代目 大西 雅文

・仕事を継ぐ意識から「陶芸を楽しむ」スタイル

私は丹文窯の4代目になります。子供の頃から陶芸家というより、仕事として家業として、事業を継ぐという意識がありました。高校を卒業後、芸短大の陶芸コースに通いました。大学では、陶芸についての職業訓練をする事が中心ではなく、基礎知識を学ぶ事が中心で、技術を学ぶには時間が足りませんでした。卒業後、技術を学ぶには、陶芸家の先生の下で修行をするのが一番だと思い、愛知県瀬戸市の先生の下で4年間修行しました。今思えば、陶芸家というより家業という意識が変わり「陶芸の楽しさを学んだ」のは愛知県瀬戸の修行時代でした。修行に出ていなければ、ここまで陶芸を好きにはなっていないでしょうし、今のような作品は作れていませんでしょうね。本当に修行に出て良かったと今では感じています。愛知県の瀬戸市というのは修行に訪れる人が多い地域で、僕の修行時代は、とにかく早く作れ!早く!という量産体制の時代だったので、僕自身、技術面・精神面でも成長し、自信が持てるようになりましたね。

丹波焼の特長としては、まず地場の土を厳選して選びます。土作り、造形、色付け、焼成と進み作品を生み出します。その他には轆轤(ロクロ)が左回転で形成する事や、
製造・営業・販売まで一貫して窯元で全て行いますので、中間業者(問屋)がないんですよ。特に丹波焼は、作ったら自分で売らないといけないのです。丹波地域は他地域からのアクセスが良いのでお客さんが来やすいし、窯元たちも売りに行きやすい部分も影響しているのかもしれませんね。昔、他の産地は一般客が買いに行けないような奥地であったため中間業者が発展したのかもしれませんね、現在では整備されて、どの産地もアクセスし易いと思いますけど、その名残で他の産地には中間業者があって、丹波には無いのかもしれませんね。

・窯元の古き伝統を「守り」新しい「挑戦」に取り組む

Tamba Styleという、新しい取り組みをしています。丹波焼は元々、日本六古窯のひとつであり、食器や花器といった日常使いの民芸品として歴史を重ねてきた一方、昨今のライフスタイルからは少し離れつつあったことも事実でした。伝統的民芸品というと消費者からは少し高級なイメージがあったり、とっつきにくさを感じられることもありましたし。そんな丹波焼の現状を打破するために、窯元有志8人で一念発起しました。現代のライフスタイルに合わせた新たな丹波焼の可能性を探る活動。それが Tamba Style です。

Tamba Styleの具体的な活動として、洋食の器への取り組みというものがあります。もちろん、今までの丹波焼の器でも洋食の器として使えるものは多数ありますし、イタリアンと和食器のコラボなどは最近では珍しくなくなりました。しかし、やはり一般的には和食器としてのイメージが強く、あえて丹波焼を洋食の器として使うというのは、なかなかイメージしづらい現状がありますから。そこで、新たな丹波焼の可能性を探るべく、単に洋食器の模倣とならないよう「洋」の中にも「丹波焼らしさ」を追求しながら、重厚な丹波焼きとは別に「軽くて使いやすい」現代のライフスタイルにあった使いやすい器作りに挑戦しています。最近は、イタリアンや居酒屋さんなどに利用していただいてます。篠山や市外にもお客様が増えていますね。

・篠山から全国に「丹波焼き」の伝統を伝道

丹文窯の家業以外で、個人で主に関西・東京・九州の都市部を中心に「-丹波焼 -大西雅文 展」をデパートやギャラリーで個展や展覧会をしています。伝統的な登り窯で焼いた作品を中心に出品しています。お仕事を頂けるのは非常にありがたいですが、プレッシャーもすごいですが様々な土地に行く事で視野が広がりました。そんな中、全国に出ることで丹波焼というブランドの認知まだまだ進んでいない部分もあると気付き今後は広報活動も精力的にこなしていきたいと思います。

・若手の育成・独立準備をサポート「丹波焼」の未来

現在は親父、母親、僕、スタッフ2人、計5人で仕事しています。僕は、展覧会や個展を中心に外に間口を広げ、販路を拡大していきたいと思ってますので今後は、丹文窯を任せられる職人やスタッフを育成して、お店を管理してもらえたらと考えています。僕はスタッフと呼んでますが、本来ならスタッフというのは昔でいうところのお弟子さんになります。そんなスタッフの独立にも尽力していきたいと思います。
昔は、土を触って器を作ろうとすると、何年も修行を重ねなければならないのが主流でした。現在では、京都府などにある焼き物の職業訓練所がありまして、1年間しっかり勉強して卒業後、各地に修行に出て行きます。そんな方々も丹文窯では受け入れていて、実際に独立したスタッフも何名かいます。土作り、陶器の製造、販路の開拓まですべて1から身に付けてもらい、なるべく早い段階で独立起業できるようにサポートできるようにしています。ですのでとにかく篠山が好きだ!とか、焼き物に興味がある方、自分で何かをしたいという独立心がある方はいつでもご協力しますよ。

住所〒669-2141 兵庫県篠山市今田町下立杭67
連絡先 079-597-2089
社員数3名
URLhttp://tanbungama.com/
備考求人について気軽に上記電話番号からお問い合わせください。