Classo2017女性特集・vol.1 大好きなまちで、わたしらしい表現を。

大好きなまちで、わたしらしい表現を。

自分自身が表現したいことを追求すること。理想があっても、それを仕事にしていく事は時間がかかったり、努力が必要な事かもしれません。柴田さんは篠山市で生まれ育ち、何度か篠山を離れた時期もありますが、生まれ育ったまち篠山で「岩茶房丹波 ことり」さんを開業されました。

生まれ育った篠山。自慢のまち。

“私の場合、都会に憧れて出て行った経緯はないんですよね。勉強するつもりで都会に出た経験があるというくらいで。「篠山」の「ことり」なんだって思っているんです。篠山というベースがあってのこと。必然があると思ってます。私の中では全て自然です。”

「Uターン」と聞くと大学に進学して都会に出て働いてみて、地元の良さに気づいて戻って来る・・そんなエピソードを想像されるかもしれません。ですが、柴田さんの場合は少し違っていました。

“父と母が関東で生まれ育っているので、両親が篠山への移住者なんですね。もう40年以上前になるのですが、当時よりもさらにもうひと昔前の暮らしをしていました。梅干しを漬けたり、五右衛門風呂を薪で焚いていたり。両親はそれがいいと思って歩いてきたし、私もそれが大好きで自慢の家、自慢のまちでした。”

「凛とした」という言葉がとても似合う人だなと、そう思いました。時代の変化の中で外部の要因は変わっていくけれど、自分たちが本当に良いという暮らしを実践し、守っていらっしゃいます。ご両親の事もさることながら、話の節々に柴田さんの意思の強さが感じられます。

学生時代抱えていた想いと、その実践を模索した時期。

“最初に篠山を出たのは高校生の時です。神奈川県に寄宿生活塾があって、そこで生活しながら両親が惚れ込んだ校長先生がいらっしゃる高校に通いました。その寄宿生活塾では、長期休みに別の合宿所に行くのですが、そこもおくどさんでご飯を炊くような生活でした。”

そんな自然に近い高校生活の後、柴田さんは幼い頃からの夢、キャビンアテンダントを目指し、短期大学の英語科に通ったそう。ですが空気の悪さや大きな音がつらいだろうなと思うようになり、やっぱり好きな料理をしたいと、方向を転換していきます。

“「当時は、若気のいたりというのか…、大勢と同じ流れに乗ることに反発心があったな、って今では思います。自分は他人とは違うんだっていうところが自分の存在意義になれば良いのになと思ったり。そしてそれはどう表現したら良いのかなって考えていたり。今ではその葛藤もすべてが自然だったんだ、と感じています。”

大事なのは、ぶれない想い。

自分にとって本当に得意で、特にできる事は何か?高校時代の寄宿生活で“生活“を学び、多人数の食事作りの経験もできたのでいつしかそれを仕事にしたいと感じた柴田さん。23歳・2005年に一度篠山の商店街の中の商家で「岩茶房丹波 ことり」さんをオープンします。

“結局その場所は、家主さんと方針が合わなくてやめることになったんです。そのあと東京へ出て、岩茶の師匠の元で働かせてもらったんです。お茶の扱い方、夏の仕入れ、点心の作り方、文化活動を「はじめとし」、2年ほどで、多くの事を学ばせて頂きました。”

周囲の人から「東京でやったら」と言われた事もあるそうですが、柴田さんは篠山でやるんだという気持ちをぶれずに持ち続けていたそうです。

“大事なのは、ぶれない想いです。あとは状況によって変わっていく。篠山に戻ってきて今の「ことり」を始めるまでも紆余曲折ありましたが、2010年のオープンから7年経った今、例えば「身体の具合が悪い時、どういうものを食べてどう過ごせばいいのか教えてほしい」って尋ねられることも、自分の思っている“料理”のイメージそのものでした。”

ことりさんには、週末にも遠くからお客さんが訪れます。そして、ことりさんで働くスタッフさんにもまた、「主体性をもって選択していく事を伝える場所」になっている、と柴田さんはお話されていました。働いておられるスタッフさんとの仲の良さも同時に伝わってきます。柴田さんのお話を聞いていると、理想に向かうアプローチは、決してひとつでないという事を感じさせられます。「まだまだやりたい事はいっぱいあるんですよ」とお話してくれた柴田さんもスタッフさんも、日々の様々な有り様に対して丁寧に向き合いながら生きている、そんな印象を受けました。

  • HOUSE

    約2年間、大阪のマクロビオティックのクッキングスクールでアシスタントをして、篠山にある、全国的に有名なそば屋やレストランでも働いた経験をお持ちの柴田さん。料理に対する真摯な姿勢が伝わってきます。

  • STAFF

    「ことり」さんが開店した当初からのチーフスタッフに最近お子さんが生まれたそう。定休日の仕事にはお子さんを連れて来られていました。ですが、仲良しなだけではなく、プロとして自覚を持ちつつスタッフさんと信頼関係を持っておられるように感じました。

  • THINKING

    柴田さんは、子どもがもう少し落ち着いてきたら、妊娠・出産についてのあり方や妊婦でも働けるという事を「食の大切さ・気持ちのケア」の面から実践していけたら、との考えをお持ちのようです。

□Aell info

岩茶房丹波ことり

兵庫県篠山市西新町18
営業時間:11:00〜18:00
定休日:水・木曜日
電話:079-556-5630
WEB: http://kotori-gancha.com